石隈利紀について

 

 石隈 利紀(いしくま としのり)は、1950年、山口県生まれです。学校心理学を専門とし、学校生活サポート(教育相談・特別支援教育等)、スクールカウンセリング、多文化間心理学の研究に力を入れています。そして、心理学的援助サービスの実践家です。私は、「サイエンティスト・プラクティショナー(研究者であり、実践家である)」であり続けることを大切にしています。

 筑波大学副学長・理事として、筑波大学附属学校群(11校)を統括する附属学校教育局の教育長を務め、2016年3月、筑波大学を定年退職しました。多方面で多才の能力をもつ筑波大学の教職員や学生との出会いはエキサイティングであり、また附属学校群の豊かな経験をもつ先生方や幼児児童生徒との関わりは大変刺激的でした。

 2016年4月より東京成徳大学教授として、応用心理学科、大学院心理学研究科で教えています。

 また福島県子どものこころのサポートチーム協議会委員、つくば安全安心子育てネット推進協議会会長として、微力ながら子どもを育てるコミュニティの支援をしています。以前、文部科学省中央教育審議会専門部会の委員をさせていただき、「豊かな心を育てる教育」の施策について検討する機会をもちました。

 今日心理職に関わる資格として、学校心理士スーパーバイザー、特別支援教育士スーパーバイザー、ガイダンスカウンセラー等の資格を保持して、これらの資格の認定に関わっています。さらに日本心理学諸学会連合の副理事長や日本心理研修センター理事として、心理職の国家資格化に関する「公認心理師法」の成立をめざす運動に参加しました。

 公認心理師法は2015年に成立、公布され、2017年に施行となりました。私は現在(2019年)日本公認心理師協会副会長、公認心理師養成機関連盟副会長として、公認心理師制度の推進に関わっています。

 

【経歴】

 アメリカ合衆国、アラバマ大学大学院博士課程を修了し、学校心理学でPh.D.を取得しました。テレビドラマ「大草原の小さな家」に出てくるようなアメリカの大自然に囲まれて、約7年間アメリカで過ごしました。アラバマ大学では、学校心理学の第一人者アラン・カウフマン博士に師事し、賢いアセスメントの考え方に基づく「子どもの強い能力に焦点をあてた援助」について研究しました。その後、サンディエゴ州立大学で、故バレリー・クック・モラール博士、キャロル・ロビンソン・セニュアルトウ博士、コレッテ・イングラム博士から、「環境の中の子ども」に焦点をあてた「子どもと(多文化の)環境の相互作用への援助」の重要性と方法を学びました。カウンセリングでは、論理療法(認知行動療法の源流のひとつ)に興味をもち、故アルバート・エリスのスーパービジョンを受け、「認知・情緒・行動の相互作用への働きかけにより柔らかく生きることを援助する」方法を学びました。

アラン・カウフマン先生は学校心理学における私の師匠であり、アセスメントに関する共同研究を今も続けています。日本LD学会や日本教育心理学会の大会の記念講演で、カウフマン先生を日本にお呼びすることができたのは、弟子としての最高の幸せでした。サインディエゴ州立大学のメンターからは、今も学校心理学における多文化アプローチを学び続けています。ダイバーシティ共生についてのニーズが高まる中、サンディゴのメンターとの学びは貴重です。そしてエリスから学んだ論理療法を、私の人生と心理教育的援助サービスに応用しています。

 

【主要研究テーマ】

  • 日本における心理教育的援助サービスのシステムおよび学校心理学の統合モデル
  • 異文化・多文化間コンサルテーション(価値観の違う者が、お互いの専門性を活かしながら、共通の問題に関して、協働で解決を図る)の進め方
  • すべての子どもの援助をめざす(特別)支援教育およびインクルーシブ教育システム
  • 個別知能検査(WISC-Ⅳ、KABC-Ⅱ、WAIS-Ⅳなど)の開発と活用
  • ソフトな論理療法(自分のビリーフを愛しみつつ、ビリーフが堅くなったときは柔らかくする方法)の活用
  • 子どもの育ちを援助する、学校、家庭、地域のネットワーク
  • 東日本大震災(2011)被災地の子どもや学校の支援